ぬるまゆんのカメラの話

風景や鉄道を撮影している素人がカメラや写真についてダラダラ語ります

キヤノンからソニーに乗り換えた理由

 私はキヤノンのEOS80DというAPS-Cの一眼レフを愛用してきましたが、先日ソニーのα7Ⅳを購入しました。カメラのメーカーを乗り換えるのは少し勇気の要ることなのですが、なぜ家電量販店の店員さんにα6400を激推しされたにも関わらずEOS80Dを購入した私がキヤノンからソニーに乗り換えたのか解説していきます。この記事ではキヤノンの悪いところとソニーの良いところばかり書くことになってしまいますが、キヤノンにはキヤノンの良さがあるということも頭の片隅に置いておいてください。

 

 

なぜカメラのメーカーを乗り換えることは難しいのか

 カメラのメーカーを乗り換える理由を話す前に、乗り換えが難しい理由をお話ししようと思います。カメラに詳しい方はすでに知っている話がほとんどだと思いますので、飛ばしてもらって構いません。

 

①マウントが変わるから

 この記事にたどり着いた皆さんならご存じかと思いますが、念のためカメラのマウントについて軽く解説しておきます。一眼レフやミラーレス一眼といったレンズ交換式カメラは、センサーやシャッターが入ったカメラの本体に、様々な交換レンズの中からレンズを選び取り付けることができ、この取り付ける部分をマウントといいます。

 このマウントなのですが、全てのカメラ・全てのレンズで統一されているというわけではなく、基本的にメーカーによって異なります。(マイクロフォーサーズやLマウントなど異なるメーカーでも同じマウントを使用している例もあります。)このため、カメラのメーカーを乗り換えると、これまで使ってきた交換レンズが新しく買ったカメラで使えないという問題が発生します。カメラ本体は現行品では基本的に10万円以上する高い買い物であるにもかかわらず、交換レンズの買い替えもするとなると、かなりの負担になってしまい、メーカーの乗り換え≒マウントの乗り換えを阻む大きな要因となっています。カメラのメーカーはこれを逆に利用し、例えばキヤノンではいわゆる撒き餌レンズ(安くてよく写るレンズ)をラインナップすることで、初心者を呼び込み、そのメーカーのカメラ・レンズを買い続けてくれるようにしていると言われていますよね。

 

②操作性が変わるから

 カメラのメーカーが変わると様々な場面で操作性の違いに混乱することになります。撮影する際の画面やファインダー内の表示の違いや、メニューの配置はカメラのメーカーによって異なる部分が多々あります。また、メーカーによってはレンズのズームリング・ピントリングの回転方向や、レンズを取り付ける際の回転方向が異なっていることもあります。これらは慣れで解決する問題ではありますが、カメラを変えてすぐの慣れない期間は、ちょっとした操作性の違いをストレスに感じることがあるでしょう。三脚に据えて風景を撮影するような場合はあまり関係ありませんが、動物や乗り物などの動き物を撮影する方にとって、とっさの行動のせいで失敗してしまう(ズームリングを逆に回してしまうなど)のは痛いですよね。

 

③レンズ以外の周辺機器も買い替えも必要だから

 さきほどマウントが変わるせいでレンズの買い替えが必要になるという話をしましたが、レンズ以外の周辺機器も買い替える必要があるかもしれません。(同じメーカー内でも買い替える必要がある場合はあります。)充電器やバッテリーはカメラに付属している場合が多いですが、予備バッテリーが必要な方は、新しいカメラ用の予備バッテリーが必要になります。リモコン・外付けマイク・クリップオンストロボなどを使用されている方は、それらの買い替えも必要になることでしょう。カメラの周辺機器も交換レンズほどではありませんが、かなり痛い出費になることは間違いありません。

 

それでもメーカーを変えた理由

①マウントを変える絶好のタイミングだった

 直近の数年でレンズ交換式カメラの世界は大きく変わりました。ソニーは10年以上前からミラーレス一眼に注力していましたが、キヤノンニコンも主軸を一眼レフからミラーレスに移行するとは5年前の私には想像がつきませんでした。α7Ⅳ購入前に使用していたEOS80Dと同じEFマウントのカメラ・純正レンズの新製品は3年ほど前から音沙汰がなく、キヤノンの新製品はミラーレス用のRFマウントのものばかりで、最新のカメラ・レンズを使用するためには、同じメーカーを使い続けるとしてもマウントを変える必要がでてきたのです。

 もちろんキヤノンはEFマウントのレンズがRFマウントの最新のカメラで使えるように、カメラとレンズの間に取り付けるマウントアダプターを生産しています。しかし、カメラをミラーレスにするからにはレンズも専用設計のものを使用したいという気持ちがありましたし、ソニーのEマウントであればSIGMA製のマウントアダプターMC-11を使用することでEFマウントレンズを使用することができるため、EFマウントからキヤノンのRFマウントに移行してもソニーのEマウントに移行してもあまり負担が変わらないという結果になることがわかっていました。

 

キヤノンのカメラに不満があった

 私は写真はもちろんですが、動画を撮影することも多々あります。そこでキヤノンに対して不満に思ったのが動画撮影時に水準器が出せないことです。手持ちで撮影することが非常に多いので、水準器が動画撮影ボタンを押すと消えてしまう謎の仕様が、撮影した動画のクオリティに大きく影響してきます。写真ならトリミングを気にしない人にとっては少しの傾きは気にならないかもしれませんが、動画は4Kや1080pなど決まった解像度があり、撮影時から解像度を落とすことはできないため、水平に撮影することができないと、編集後も傾いたものを使用するか、解像度を犠牲にして補正するしかありません。

 キヤノンとしてはカメラの本体に金をかけるなら、ジンバルやスタビライザーを使って撮影してくれということなのかもしれませんが、写真と動画をころころ切り替える私の撮影スタイルではそういうこともできません。ネット上ではホットシューに水準器を取り付ける解決策が紹介されていることがありますが、そこは外付けマイクを取り付ける場所なのです。カメラ本体の水準器が必ずしも正確とは言えませんが、カメラ本体だけで水準器の役割をこなせるなら、それに越したことはありません。

 また、キヤノンでは機種によって動画撮影の自由度が写真撮影より低いことがあります。たとえばEOS80Dでは、絞り優先モードやシャッタースピード優先モードで動画に切り替えると、露出補正以外オートになってしまい、絞りやシャッタースピードを設定して動画撮影を行うにはマニュアルモードで撮影する必要がありました。動画撮影では滑らかに見せるためにシャッタースピードは遅めに設定する方が良いとされており、その設定をするためには動画撮影はマニュアルモードを使用しなければなりませんでした。

 

③RFマウントのサードパーティ製レンズがない

 もしキヤノンのままミラーレスに移行するとすればRFシステムへの移行となるわけですが、キヤノンはRFマウントの公開をしておらずSIGMAタムロンといったサードパーティ製のRFレンズが存在しません。もちろんレンズも純正で揃えてこそRFシステムの真価が発揮されるのだとは思いますが、昨今の情勢の影響でカメラ・レンズの値上がりが進む今、庶民にはRF24-70mm F2.8 L IS USMなどのような純正のLレンズにはなかなか手が出せません。マウントアダプター経由で中古市場にあふれる大量のEFレンズが使えるとはいえ、サードパーティ製でいいからミラーレス専用設計のレンズが欲しいという人や、SIGMAタムロンにしか作れない尖った性能のレンズを使いたいという人はたくさんいるはずです。私も超広角や超望遠など使用頻度が低い焦点距離に関してはサードパーティ製のレンズを使いたいと思っているため、サードパーティ製のないRFシステムへの移行は厳しいと考えました。

 

ソニーキヤノンへの不満を解決してくれるという期待があった

 ソニーは動画撮影時に水準器が出せますし、サードパーティ製のEマウントのレンズがたくさんありますし、私のキヤノンへの不満を解消してくれるであろうという期待がありました。またソニーに興味を持ち調べていくうちに、最新のソニーのミラーレスは動画モードと写真モードで設定を分けることができたり、パワーズームのレンズがあったり、音声関連で多種多様なアクセサリーがあったりと、キヤノンを使っていた私は想像できない動画撮影を助けてくれる製品が充実していて、写真と動画どちらも撮影するならソニー一択だろうという確信が生まれました。

 

おわりに

 キヤノンからソニーへ移行した理由というテーマの都合上、キヤノンへの不満とソニーへの賞賛ばかりとなってしまいましたが、α7Ⅳを使用することで、EOS80Dの方が良かったなということも出てきていますので、それも別の記事に書いてみたいと思います。